退去が決まったらやっておく事

退去する時にはやっておかなければいけない事が沢山ありますので、必要な手続きを確認しておきましょう

転勤や卒業…あるいは更新料がかかる前に別の物件を探すなどの場合、退去になりますが退去にもきちんとルールがあります。
ほとんどの場合は契約書に退去についての項目が書いてあるのでそれをもう一度(入居時に確認しているはずです) 読んで確認しましょう。

退去時によくあるトラブルに「知らなかった」「契約書の内容を見てなかった」というのがありますが、
不動産賃貸契約書にはキチンと目を通して署名捺印しているはずですから、
知らなかったでは通らない場合がほとんどです。

 ※ 最近は契約書をきちんと目を通していないというトラブルが増えてきています。 せっかく良好な賃貸生活を送っても最後になって
トラブルを避けるためにも契約書類はきちんと把握してお
 きましょう。

退去手続きの仕方と時期・そしてライフラインの解約

一般的な契約の場合退去予定の1ヶ月前又は30日前というのが多く書面によって管理会社・不動産会社・建物オーナーのいずれかに提出するのがよくみられる退去届の出し方です。
書面で提出するのは提出日や退去日の確認違いを無くすためで電話や口頭では聞き違いも発生するので書面での提出が多いのです。
最近ではFAXやメールでも受け付けているようですが送った後で確認電話をしておくと安心です。

退去する場合には退去届だけでなく今まで使っていた電気・ガス・水道などのライフラインの解約手続きも必要になってきます。
それぞれ連絡をして退去日に合わせて止めていただきましょう。また口座振替にされている場合はそちらの解約も済ませておきましょう。
ライフラインを停めていなかった場合、次の方が入居時に手続きをするまでそのまま…
あるいは次の方が使えるのでそのまま使っていたらその分、前入居者の口座から落ちるという事あるので注意してください。

その他の届け出

ライフライン以外にもいろんな届け出作業があります。

大きなものでは郵便の転送届(1年間は旧住所への郵便が新住所に転送になります)
宅配便(個別の宅配会社にご確認ください)
住民票の転出届、最近では少ないですが固定電話がある場合は移動届が必要です。
インターネットを使用されている場合は解約手続きが必要です。
NHKの視聴料の解約又は移動届。
新聞を購読されていた場合は購読停止届。
銀行など金融機関にも口座名義人の住所変更が必要です。

退去についての届出作業は想像以上に多いので早めに確認しておきましょう。

退去日の決定と退去の立ち合い依頼


退去届の提出までに退去日が決まっていない場合は退去届には月末最終日として、その後に正確な退去日を伝えるのがよいでしょう。但し建物や地域によって退去月の日割りをする場合としない場合がありますので、日割り計算していただける場合は退去届提出時に正確に日にちを書き込みましょう。
退去日には出来るだけ立ち会いをしてもらい確認をして頂く事をお勧めいたします。
立ち会いする事で損耗ヶ所の確認や補修あるいは清掃について確認も出来ます。
立ち合いをせずに「壁が汚れていた」「床に傷がある」という事で請求が来ることもありますから立ち会って確認しましょう。

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見落しがちな退去の決まり

不動産の契約内容については地域によって千差万別なので一概には言えません。
弊社のある岡山市(岡山県内でも違う場合があるので…)での賃貸を参考にしてご説明しますが、
他の地域の方はそれぞれの地域の不動産会社に確認する事をお勧めいたします。

  • 一般的な契約の場合、退去の1ヶ月前まで退去届を書面にて管理会社や不動産会社に提出する。
  • 1ヶ月を切って退去届が遅れた場合は予告遅れとして家賃1ヶ月相当の金額が必要になる場合がある。
  • その他、特約条項に退去に関する条項が掲載されている場合は参照。

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退去時のトラブル

退去の決まり以外にもトラブルになる可能性があるのは退去時によくあるトラブルです。
特に国土交通省の「ガイドライン」が発表されてからのトラブルが逆に増えたように思います。
これは建物オーナーが本来入居者が払うべきでない費用を入居者負担にしている場合も多いのですが、入居者が払うべき費用をガイドラインを間違った解釈で支払い拒否というケースも増えています。
本来は国土交通省の作成したガイドラインには法規制はありませんが訴訟実務において重要な参考資料として事実上の判断基準とされることが多いようです。

※ 弊社でもトラブルは全くないわけではありません。
最近ではペット不可の物件でペットを飼育し室内に引っかき傷、悪臭を漂わせることにより修繕に多額の費用を要した例もあります。 入居している方は退去時に多額の費用が掛かることも請求されることも契約書面には掲載していたにも関わらず全く認識していないということもありトラブルになる事もあります。

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国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』

ガイドラインが出来てからトラブルが逆に増えたと書きましたが何故でしょう?

【ガイドラインの意義】原状回復の一般的な基準を設けた

一般の賃貸借契約は契約自由の原則により、貸す側と借りる側双方の合意に基づいておこなわれますが、
退去時に貸した側(大家さん)と借りた側(入居者又は契約者)のどちらかの負担で原状回復をおこなう事が
妥当なのか?についてのトラブルを未然に防ぐため、賃貸住宅標準契約書の考え方裁判判例及び取引の実務を考慮の上、原状回復の費用負担のあり方について妥当と考えられる一般的な基準をガイドラインとして平成10年3月に取りまとめられました。

【ガイドラインの改定】借主・貸主それぞれが都合の良い解釈をしないために

平成16年2月及び平成23年8月に改定を行っていますが、改訂により今までは借り手側寄りのものが貸し手側寄りになった部分もあり、その認識の違いによってトラブルが起こる例やガイドラインの中の一部分のみを抜粋し、借り手も貸し手も都合の良い解釈をすることによりトラブルが多くなったのだと思います。
改訂のポイントについては下記の内容などがあげられます。

  1. トラブルの未然防止に関する事項を新たに設けた。
  2. 損耗・毀損の事例を追加した。
        3. 原状回復の考え方の理解を促すためにQ&Aを追加した。
        4. 原状回復に関する裁判の判例を掲載した。

【トラブル防止策として】原状回復条件は契約前に確認を!

原状回復の問題は賃貸借契約の退去時の問題と考えがちですが、入居時の問題ととらえて入居時における損耗の有無など物件の状況を確認しておく事や、契約締結時において原状回復などの契約条件を当該者双方がよく確認して納得したうえで契約を締結するなどでトラブル防止には有効だと考えられます。